らしくもなく 貴方に
数え切れないほどの感謝と謝罪とほんの少しの愛おしさを込め祈りながら
俺は死んでゆくのですねぇ




気が付いたら、唯上を見ていた。
特に意味なんか無い。
何でだ?
………
…………………
あれ?ちょっと待て。何が起きたんだっけ?
確か…今日は極卒と出掛ける約束をしてたんだよな。
極卒に無理言って休んでもらったんだよな。
ごめんな。極卒。
…でも……すげぇ…嬉しかったなぁ。
アイツ…断れない性格なんだよなぁ…。
んで…俺の恋人なんだよなぁ。
こんな幸せでいいのか?
ずっと想い続けて…ようやく、通じ合って。
あれ?何でこんなにしみじみとアイツの事を考えてるんだ?
普通に考えればいいのに…
で、何があったんだっけ?
極卒と待ち合わせして…遅れると嫌だから、ガラにも無く早く出て…
それから…それから? …あれ……?
…………待てよ………
……………………嗚呼。そっか。
俺…死ぬんだ。
そういや…寒いしな。
目の前も真っ赤じゃねぇか。
これって、俺の血なのか?
出血…ヤバイじゃん。
だから死ぬのか。
バカじゃん…俺。
おいおい。まだアイツに会ってねぇぞ?
早く行かないと…アイツ待ってるじゃねぇか。
アイツ、ずっと待ってるぞ?誰か教えてやってくれよ。
はは…もう…無理かな。

極卒。お前にスゲェ感謝してるよ。いつも助けてもらったな。色んな物、貰ったりしたな。
俺…お前を何にも助けてやれなかったけど。何にもやれなかったけど。
数え切れないくらい感謝してる。一生をかけて恩返ししたかった。するつもりだった。

ごめんな極卒。今日、無理言って約束させたくせに…行けなくなったわ。
だから、待たなくていいから。
時間過ぎたら、勝手に帰っていいから。ごめん。
謝るときりがないな。 ごめん。本当にごめん。
俺らしくねぇけど…人間、死ぬときは素直になるもんだな。


お前の全てを愛しく思うよ。


極卒。俺が居なくなっても泣くなよ。俺はずっと傍にいるから。
お前には見えないかもしれないけど…ちゃんと傍にいるから。
心配…するな。
今までありがとう。数え切れないくらい感謝してる。
今までごめん。数え切れないくらい謝罪するよ。
俺はもうすぐ死ぬから、これから先、お前が幸せに生きてくれる事を祈るよ。
俺には…もうそれしか出来ないから。
俺は…少しでもお前を幸せに出来たのか?
そうだったら…嬉しいな。

嗚呼…寒いな。
目の前が…暗くなる。
さよなら…極卒。


唯ひとつ、心残りがあるなら、
自分の最後にお前の姿をこの目で見れなかった事かな?

………………
………………………


ロマンス…!



あれ?


最後の 最後に 愛しい 君の 声を 聴いた 気が








THE END



前に日記に書いたものを少し修正したものでございます。
ロマンスの恋は報われなくていいと思います。(おまっ?!
これだと…付き合ってるけど、死んじゃったじゃん☆(☆いらねぇだろ
とにかく、ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
至極の感謝。



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