※この話では、星のひとは安達君(見えないけど擬人化)となっております。(伊藤君も出るかもね)





もしもし貴方 死んで下さいませんか?








今日の天気は快晴。洗濯日和。よく乾きそうなくらい良い天気だった。
ついでに極卒も僕も休み。ラッキーだ。
こうなったら、今日は極卒と共に久々の休日を満喫しようじゃないか!!(邪心アリ)
そんな事を思いつつ、國卒と極卒は朝食を食べていた。


「兄様?大丈夫ですか?ボケー…っとして…」

「…は?あ、ああ!もちろん!今日は久々の休みだ。ゆっくりしていよう。」

「しょっちゅうサボってるくせに…」

「何か言ったか?極卒(ニッコリ」

「いえ、別に(ニッコリ」


ボソボソ何か不満を漏らした極卒には、笑っておくのが一番だ。
でないと、半日愚痴を言われるからな。

うんうん。と頷く國卒を、極卒は不信に思いながら、ぺたぺたとご飯を盛っていた。


「何でもないですよ。それより、お代わりどうぞ。」

「ああ。ありが…」


國卒が極卒からお代わりしたご飯を受け取ろうとした丁度その時であった。


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
ガラッ!


「國卒ぅぅぅぅぅぅ!!!悪いこと言わないから今すぐ死ね!!

「もう言っているじゃないか!いきなり死ねとは失礼だな星のひと!!」

「じゃあおはよー極卒。ハァハァ…ついでに國卒。挨拶したから…今すぐ…死ね國卒。」

「その死ねが失礼だと言っているだろう!!」

「あとー今僕『安達』だし?」

「ぐぅぅぅいぃぃぃぃぃぃやはり貴様は好きになれん!!」

「大丈夫。僕も嫌いだから。ハァ…僕が好きなのは極卒だけだよ。」


いきなり、玄関を勢いよく開けて来たのは、急いできた性か、髪が酷いことになっている安達君(星のひと)であった。
肩で息をしているのを見ると、相当急いでいたようだ。


「ごちそうさま。さて、安達君。いきなり兄様に向かって死ねとは何なのですか?」

「よくぞ聞いてくれました。流石は僕の極卒!」

「誰の誰だと安達?」

「五月蝿い話しかけるな初老。」

「ぐうううぅぅぅぅぅぅいいいぃぃぃぃぃぃ!!!!」


何でコイツはこんなにも可愛げが無いのだろうか!くそぅ…他の奴らには愛想が良いくせしおって!!
今に仕返ししてやるからなぁぁぁぁぁぁ!!!!


手に握っていた箸をバキバキと圧し折りながら、國卒は安達君に対して殺気を放っていた。
それを感じてか、極卒は國卒に気づかれぬ様に、少しだけ安達君を國卒から遠ざけた。


「…で?本当にどうしたんですか?」

「あのさー…えっと…」


安達君はチラッと國卒を見た。國卒はまだ安達君に対して並々ならぬ殺意を抱いていた。
そんな國卒を見ると、安達君は深くため息をついた。


「やっぱりどうしようかなぁ〜…これがバレて僕が死ぬのは嫌だしなぁ…フゥゥゥ…」

「でも…言わないと解りませんし、何時まで経っても兄様が食べ終わらないので早くして欲しいのですが…」

「だって…此処まで来たのは9割9分勢いだし、僕としては國卒が死ぬのに異論は無いんだよ極卒。」

「でも、僕が困るんですよ。だから此処は僕のためにも…」

「う〜…そう来たか…でも…」

「だから…」


イライライライラ。
國卒の機嫌が一気に悪くなってゆく。
何故か?それは簡単。


ブチッ


「貴様らいい加減にしろ!!ウダウダウダウダ五月蝿いんだよ!!!」


國卒が怒った訳=極卒と安達君が仲良く話していたから。

ついに、國卒の怒りが臨界点を突破したようだ。
机を思いっきり叩きつけると、極卒と安達君は驚いて黙った。
その顔は、「何だよコイツ。いきなり吃驚させんじゃねぇよ…五月蝿いのはお前じゃねぇか。」と訴えている様だった。(安達君のみ)


「で?本当に貴様は何をしにこんな朝から来たんだ?さっさと答えろ。」

「國卒に命令されたくないけど…これ以上居たら確かに極卒に迷惑だよね。」


チラッと安達君は極卒を見た。極卒は少し苦笑していた。


「じゃさーもう手遅れかもしれないけど言うよ?」

「何なんだ?」

「何でしょうね?」


少しだけ、緊迫した空気が漂う。
そして、安達君は口を開いた。


「あんさー僕はよく解らないんだけど?椿さんとなのこがさー…國卒何か恨みでも買ったわけ?
朝起きたらさー二人して國卒に『愚かなる反逆者に天誅を!』『天誅!天誅!』とか言って何か禍々しい武器持って乗り込もうとしてたからさー。」


それを聞いて、國卒の顔色がどんどん青ざめてゆく。
極卒は、そんな國卒を見て心配そうにおろおろしていた。
そんな中、安達君だけがヘラヘラと笑っていた。


「なななななんでそそそれをっをを早くいいぃい言わない?!」


ガタガタガタガタ震えながら國卒が安達君に聞く。顔は氷みたいに白かった。


「だって、僕にはそんな重要な事じゃないし。極卒にもそんな重要じゃないし。」

「じゅっ重要だっ!貴様にととっとっては重要じゃなくてもだだだな!僕にはじゅじゅ重要な…」



ピンポーン。ピンポーン。



國卒の動きが止まる。極卒が急いで玄関に出れば、其処にいたのはあの二人。
二人が求めるのは國卒。
逃げようとする國卒に持っていた(?)テレビで頭を殴り大人しくさせると、安達君が二人に渡した。
極卒は、まるで売れ残った犬を見る様な目で連れて行かれる兄を見送った。


(あの二人のことですから、兄様もすぐに帰ってくるでしょう。)


そう考えていた。
ほとんど骨と皮だけになった國卒が無事に帰宅(脱走)するのは、
この日から三ヶ月三週間三日先の事である。
何があったかは想像に任せる。


THE END








もしかしたら、安達君もグルだったのかもしれない。


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