この手がどんなに血に染め上げられようとも



今日は、激戦地区に行って来た。
こちらが圧倒的に不利な状況になったらしいので、仕方なく、行った。
家を出るとき、弟は、とても悲しい顔をしていた。
心が、痛かった。

パラパラ…と銃声。轟く爆音。響く悲鳴。顔に、手に、服にかかるのは、人間の血。
今日は何人殺しただろうか。
今まで、何度戦場に出て人を殺しただろうか。
何度…何度。
極卒は、血に塗れた僕を見て、悲しい顔をしただろうか。
それでも、僕は殺し続けるよ。
職業だから。なんていうのは唯の言い訳。
本当は……。


どんなに汚れたって、お前と、幸せで居たいから。


何人殺そうと、それは、僕と極卒が幸せになる為の尊い犠牲なんだ。
仕方が無い…尊い犠牲。
そうだろう?

今日も、空は青い。清々しい程の快晴。
それに比べて、
この地上はなんて赤いのだろうか。
手に持っている剣から、真っ赤な血が滴り落ちる。
ポタリ…ポタリ。
一滴、また一滴重力に従って、血の海へ。

嗚呼。僕も、いつかはこの海に身を投げ出すことになるだろう。
それまでに、僕はもっと多くの海を造るだろう。
その度、お前は悲しい顔をするの…だろう。

お前の幸せって…何だ?

いつも、僕が人を殺す度に悲しい顔をする。
どうしたら、笑う?
普段は、眩しいくらい綺麗に笑うのに。
笑ってくれるなら、僕は何でもするよ。極卒。

でも、戦うのは、止めれそうに無い。

だって、あいつらは、僕達の幸せを壊そうとする悪者だから。
悪者は、誰かが退治しないといけないだろう?
だから、あいつらがいる間、僕は何度もこの手を赤く染め上げるのだろうね。

でも、誓う。
この、汚れた手に、誓う。
どんなに、この手が汚くなろうと。
どんなに、この手が血に染め上げられようとも。


必ず。守るから。


あいつらが居なくなれば、戦わなくていいんだよ。
それまでの辛抱だから。
もう少し。あとちょっとだから。
待ってろ極卒。
お前の手が血で染まる前に、必ず。

必ず…終わらせるから。


全部終わったら、僕達はまた、少しの間幸せになれるよ。


それでも、少ししたら、また、戦いは、始まるのだろうね。


人は、とても、醜いから。


お前は、汚れたら駄目だよ。


僕だけが、汚れればいい。


だから………
































汚く血塗られた手に誓いを立てよう。





































君が、いつまでも幸せでいる世界を、僕が造ってあげる。



































そして

































笑顔で「おかえり」と言ってくれ。













THE END





















イッツ意味不明ワールド☆(ウザイ
どうやら、極卒君はまだ殺しをしていないようですね。
あー兄様が偽者…ゲフゥ!!(吐血
とっとにかくここまで読んでくださり、ありがとうございました。
至極の感謝。




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