ひとりぼっちのかみさま

昔々…まだこの空間にちゃんとした形の世界が無く、星々の輝きしか無かった頃。

一人の神様が立っていました。

神様は何故、こんな所に立っているのか解りませんでした

右を見ても、左を見ても、前を見ても、後ろを見ても、上を見ても、下を見ても、神様はひとりぼっちでした。

あるのは、幾千もの星だけでした。

神様は悲しくなってしまいました。

でも、泣き方を知りません。

神様は、いくら悲しんでも、涙を流すことが出来ませんでした。


―どうして、俺は独りなんだろう。どうして、誰も居ないのだろう?―

―星は、慰めるように輝いてくれるけど、寂しい。誰も居ない。何故独りなんだろうか―


神様はいつもいつも、考えていました。何時間、何日、何年。ずっと考え、悲しみました。

でも、答えが出ません。教えてくれる人も居ません。

神様はますます悲しくなりました。

独りでいるこの空間が、牢獄だと感じるようになりました。

神様は、悲しすぎて、考えるのを止めてしまいました。


―考えるから悲しいと感じるんだ。だったら考えなければいい。―


神様は、生きている様に死んでしまい、死んでしまった様に生きていました。

それから、また数年が過ぎました。

神様は、なんとなく、自分の影に魔力を注ぎました。

すると、影がひとりでに動きました。

なんて事でしょうか!こんなにも簡単に人を造ってしまったのです。

神様は喜びました。

自分の影でも、自分じゃない他人が出来たのです。

神様は、自分の影に話をかけました。


―お前、名前は何なんだ?やっぱり俺と同じなのか?―


そこで、神様はふと気が付きました。


―俺の名前…何だっけ?―


神様は、長い間独りだったので、自分の名前を忘れてしまいました。

影は、何かを話そうとしていましたが、声が出ませんでした。


―お前…声出ねぇんだな―


神様は、また悲しくなりました。

でも、影が優しく慰めてくれました。

声など無くても、神様にはちゃんと気持ちが伝わりました。

そこで、神様はまた考え始めました。

どうしたら、人が現れるだろうか。どうしたら、楽しくなるだろうか。と。

考えて、考えて。神様は答えを出すことが出来ました。


―この空間には、まだちゃんとした世界が無いんだ。―

―んで、この空間の外には、沢山の世界があって―

―そこには沢山の人が居るかもしれない。―

―この空間に俺の世界を造って―

―そこに別の世界の人を呼んで―

―パーティーとかしたら―

―楽しくないか…?―


そう考えると、神様は楽しくて仕方が無くなりました。

この空間に、世界を造ろうと決心しました。


―そうだ。俺は『神様』なんだ。世界を造るなんて、簡単じゃないか。―


神様は、星しか無かった空間に世界を造ると、『ポップンワールド』という名前を付けました。

来た人に覚えやすい名を。親しみやすい名を。そう考え、付けました。

次に、神様は空間を越えようと努力しました。

空間を越えるのは、世界を造るより大変な事でした。

でも、神様に出来ない事はありません。

また、時間はかかりましたが、空間を越える事が出来ました。

そして、神様は色々な世界へ行き、色々な人を招待しました。

時には、山の中に行きました。時には、深海まで潜りました。時には、宇宙まで行きました。

何時しか、神様の周りは沢山の人でいっぱいになりました。

神様の周りには音が、笑いが溢れていました。

神様は、とってもとっても嬉しくなりました。

そして、神様が開くパーティーは『ポップンパーティー』と名づけられました。

それから、また時間が流れました。


「なぁ、ポップンパーティーに参加しないか?」

「……ひょ?…貴方、誰ですか?」

「俺か?俺の名前はMZD。ポップン界の神様だ。」

「神…様…」

「そ。お前の声に惚れたんだ。どうだ?参加しないか?」


今日も神様…MZDは参加者を招待していました。



THE END




…はい。勝手にMZDの過去とか書いてみました。こんなだったらいいな…とか。
これ、合唱曲の「モルダウ」を聞きながら書いてたら、驚くくらいスラスラ書けたんです。驚いた〜
最後の最後に極卒を出したのは唯の悪あがきです。もう15稼動してるのにね。HELL15とかいるのにね。
この文をここまで読んでくださり、ありがとうございました。
至極の感謝!


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