此処はヴィルヘルム城…の二階にあるとある部屋。というか、普通の部屋。
そこで2人は何もする事が無く、暇をしていた。
いや…一階に行けばあるのだが。
今、一階にはポップン14が来ている。来ているという事は誰かと戦っているという事で。
一階の担当は予想外な強さを誇るウーノな訳で。ポップン14は何度も此処に来ているのだが、一回も二階に来たことが無い。
つまり、ドゥームから上(極卒・ヴルヘルム)は暇な訳で。



今回は、そんな暇をぶっこいているドゥームと極卒を追ってみた。








It is happiness in here now
(今 此処にある倖せ)









「いや〜それにしても暇すぎるな極卒。」

「ドゥームに同感です。テレビもこんな時間じゃドロドロした昼ドラしかやってませんし。」

「何かDVDとかねぇのか?」

「『冬のソ●タ』なら中途半端に2〜5までありますよ。」

「何で2からなんだよ…普通1から買わねえか?」

「だって、ヘルムは何処かで1を見たらしいですから。」

「っだぁぁぁぁぁ!!!暇だぁぁぁぁぁぁぁ!!」


ゴロゴロゴロゴロと暇だ暇だ叫びながらドゥームは部屋を転がってゆく。
そんなドゥームを軽くシカトしながら、極卒は静かにコタツに入って緑茶を啜った。


「そういや極卒、カニパンは何処に行ったんだ?」


ふと、ドゥームはいつの間にか居なくなっている我らがリーダーの行方を気にした。
極卒意外誰もリーダーとは認めていないが。極卒だけは一応リーダーと認めているようだ。


「ついでに國卒もいない。リシェルもいない。俺のメロンパンも無い。」


ゴロゴロゴロン。ドゥームは転がるのを止めて、ボン!と爆発した。
否。人型になった。何処かの工事現場に居そうな感じの男性であった。


「ヘルムは一時間ほど前にジャックに連れて行かれました。兄様は昨日また大佐仲間に喧嘩をふっかけて上官に怒られ…今頃懲罰室で反省文300枚書かされてますよ。」

「ふぅん。残りは?ってぁあ!!俺の柏餅も無い!!」

「リシェルは実家(魔界)に参考書を取りに帰ってます。予定だと、今日の夜に帰るそうで。メロンパンと柏餅はヘルムがジャックに捕まる前に食べてました。」


ポリポリとお皿に出ていた煎餅を齧りながら、極卒は的確に答えた。
ちなみに、リシェルはヘルムよりかなりまともな弟(2P)。ヘルムが起こした問題の後始末をよくやっている。
ドゥームは、メロンパンがヘルムに食われたと聞くと、とてつもなく悔しそうな顔をした。
ヘルムに食われたメロンパンは、ハジメに美味しいから食べてみろと進められたので、わざわざ2時間並んで買った結構美味しいメロンパンだったのだ。
それを何も知らないヘルムに食われたとなれば、かなり精神的にダメージは大きい。
悔しい顔をしながら、無言で壁を殴っていた。柏餅は一個100円の適当に買った物なので未練は無い様だ。


「まあまあ。僕のお饅頭あげますから、機嫌を直してくださいよ。実はコレ、手作りなんですよ?」

「…そうだな。もう過ぎちまった事だし、それで機嫌を直してやるぜ。」


極卒はコタツから出て、戸棚から饅頭を取り出した。
ドゥームはその中から一つだけ取り、口に頬張った。餡子がぎっしり入っていてとても美味しい。


「ふん…美味いな。」

「でしょう?今回は少しだけ材料にこだわってみました。」

「なるほど…そr「お父さーん!お父さーん」


バタン!と勢い良く扉を開けて現れたのは、ドゥームの息子達であった。


「おう。どうした?」

「お腹空いたのー。」

「僕もー。」

「そうか。じゃあ極卒お兄ちゃんにお饅頭貰いな。」

「お饅頭!」

「くれるの?」

「僕の手作りのお饅頭でよければ。お煎餅もありますよ。コレは買ったのですけどね。」

「貰うっ!極卒お兄ちゃんのお料理美味しいもん!」

「極卒お兄ちゃんお料理お上手だから美味しいよ!」

「それはそれは。嬉しいですね〜全部どうぞ。」

「「やった〜!!」」


極卒からお饅頭とお煎餅をもらうと、二人は仲良く分け合って食べた。
そんな様子を、ドゥームは和やかに見ていた。


「やっぱりよ、平和って良いな極卒。和むぜ。」

「そうですね〜^^微笑ましいです。…まぁ一階はまだ乱闘でしょうが。」

「だな。ポップン14もいい加減諦めればいいのにな。」

「仕方がありませんよ。彼らだって神に言われて来てるんですから。」

「そうだったのか。知らなかったぜ。でも何で知ってるんだ?」

「だって、この間神が僕に話してくれたんです。」

「…そうか。」


ドゥームはそれ以上何も聞かなかった。
もう聞く気にならなかった。
あの神の事だから…きっと極卒になら何でも話すのだろう。と自己完結した。


「…にしても、暇ですねぇ。」

「結局、辿りつくのは暇だって事なんだよな。」

「本当の事ですから。そうだ。一緒に夕飯の買い物に付き合ってくれません?」

「おう。力仕事はまかせろ。おいチビ共!買い物に行くぞ!」


ドゥームはテレビの前で極卒からもらったお饅頭やお煎餅を食べているタム達に声をかけ、出かける支度をする。
そこで、ふと思った。


「なぁ極卒。俺達が買い物に行ってる間にポップン14が来ちまうんじゃないか?」

「その心配はありませんよ。そろそろウーノがとどめを刺す頃ですから。」


その時、下の方から地響きが聞こえた。ウーノが最後の一撃を放ったいつもの音であった。


「ね?ですから大丈夫ですよ。またいつも通りに第2回戦が始まるんですから。さ、行きましょう。」

「そーだな。あー身体が鈍ってるぜ。」


こうして、また一日が過ぎるのでした。




THE END






















































おまけ。
懲罰室で反省文書かされている兄様


「くそぉぉぉぉぉ!この僕に反省文など書かせおって…!」


カリカリカリカリ。


「しっかし、300枚とは…やりすぎじゃないか?これじゃあ何時まで経っても極卒に会えないじゃ…!」


カリカリ…カリ。


「そぉ〜だ…(ニヤリ」



2時間後。



コンコン。
ガチャ。


部下A「國卒大佐。反省文書き終わったで…大佐?!」


ガチャ。


部下A「大変だー!!國卒大佐がまた逃げたー!!極卒中佐の所に逃げたぞー!!」


國卒が居た懲罰室には、ただただ大量の作文用紙があるだけだった。
密室で、入り口に警備がいる状態で國卒がどうやって逃げ出したのか…陸軍でまだこの謎は解明されていいない。
今日も大日本帝国陸軍基地は平和でした。









終わり。





國卒は極卒がいる場所へなら何処へだって行けるんだよきっと。

今日も(一部の人以外)とても平和な一日でした。






帰還